第7回受賞者(2012年度)

塚崎 敦 氏(東京大学新領域創成科学研究科)
「高品質ZnO薄膜の作製と酸化物エレクトロニクスへの応用」
笠 真生 氏(イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校)
「トポロジーを用いた固体電子状態分類学の確立」

第7回受賞者は実験部門で塚崎敦氏(東京大学新領域創成科学研究科)、理論部門で笠真生氏(イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校)が選考されました。表彰式は2012年11月27日に東京大学武田ホールで行われ、北岡良雄同賞選考委員長から賞状その他が贈られました。

塚﨑敦氏の受賞業績は「高品質ZnO薄膜の作製と酸化物エレクトロニクスへの応用」です。同氏は、酸化亜鉛(ZnO)はワイドバンドギャップ半導体電流注入によって発光するpn接合を初めて実現しました。(MgZn)O/ZnO界面にポテンシャルの谷を作り、2次元電子系を実現し、最も良質の化合物半導体で観測されるものに匹敵する輸送特性として、分数量子ホール効果さえ観測出来る高品質なもの実現しました。酸化物エレクトロニクスと漠然と呼ばれていた分野が「物質科学ならびにエレクトロニクスとしての応用分野における明瞭な研究対象」となることを示すとともに、酸化物が電子技術材料として確立されるために必要な研究の指針を与えました。

笠真生氏の受賞業績は「トポロジーを用いた固体電子状態分類学の確立」です。これまで全貌が明らかではなかった固体中電子の量子波動関数の持つトポロジー的性質について、同氏は3つの対称性(時間反転対称性、粒子・正孔対称性、カイラル対称性)を用いてその普遍クラスが10個のクラスで尽きていることを見出しました。その結果、系の次元に応じてトポロジカルに非自明な絶縁体および超伝導体を特徴づける群を決定することが可能となり、世界で初めて「トポロジカル周期表」を完成させ、新しい電子状態を探索する指針を与えました。